龍谷大学 先端理工学部応用化学課程/理工学部物質化学科

内田欣吾 教授

現在の研究テーマを始めるきっかけは?
単なる反応・単なる合成は好きじゃないんですよ。色がリバーシブルに変わるということに興味を持って恩師の入江正浩先生の研究室に入りました。
今は色だけでなくて、形がリバーシブルに変わる研究をしています。元々産総研にいたので、単なる合成の研究はさせてもらえなかったという経緯もあります。
指導する上で気をつけられていることは何ですか?

実験量をこなしていく上から自分で考える習慣をつけるように指導しています。内田研究室にいる学生達は基礎的な実験技術はついています。
ですので、社会に出ても役に立つ研究者の育成を心がけています。
あと、安全面は特に気を遣っています。夜は遅くならないように、朝は早くからやるようにと。

最近、紫外光を当てると膜表面にミクロンオーダーの無数のとげが発生し、表面が超撥水性(ハスの葉のように水滴が転がる)になり、可視光を当てるとこのとげは消え、元の平滑な表面に戻り超撥水性もなくなる材料を見出しました。
この表面撥水リバーシブルの研究に国の内外から問い合わせが来ている状況です。
その撥水性を利用した商品の開発の問い合わせも来ているんですよ。
現在の研究は応用的な要素があり、実用化も可能なテーマです。

実験テーマがおもしろい!ということです。
視覚的に現象が目で見えるので成功したときは達成感もあり、おもしろいですよ。
フィルムへの応用や記録媒体としての実用化を視野に入れた研究もありますから、将来性もあっておもしろいと思います。

化学は丸暗記の学問ではないんです。今はあくまで化学に関する必要な基礎知識であって、実際の現場での化学は発想や創造やアイデアが大事です。

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