クリスマスイブのくるみ割り人形

12月24日

 ニューヨークの12月はいたるところでくるみ割り人形のメロディーを耳にします。テレビのコマーシャル、街中、グランドセントラル駅・・・。ニューヨークシティバレーでは11月ぐらいからずっとくるみ割り人形を連続公演しています。私も子供のころから好きなメロディーで繰り返し聞いてきたバレー曲です。ちょうど物語りもクリスマスイブの話ですのでちょうど今日シティバレーのくるみ割り人形をリンカーンセンターに見に行きました。今日は日曜日で昼と夜の部がありますが私達は昼1時からの公演に行きました。

シアターの入り口の垂れ幕

 子供連れの家族が多かったですが、結構年配の男性も多かったように思います。(日本と比べて)劇場の作りはバルコニー式でメトロポリタンと同じ作りです。オーケストラ席(一階席)は通路が全くなく右端から左端まで座席が配置されていますので中央辺りの座席の人は見るにはいい位置ですが席につくのに大変です。(欧米人の体格がいいからといってそんなに席のスペースはとっていませんので)

劇場はバルコニー式です。

 くるみ割り人形にも子供が演じるものと大人が演じるものがありますが、今日のは子供が演じるものでした。しかしメトロポリタンオペラのときも感じましたが、本場は違うということです。最も違うのは舞台装置です。日本引越し公演では大掛かりな仕掛けは絶対に無理です。1幕のパーティーのところは華やかで子供が走り回るかわいらしいものです。12時の鐘が鳴った後(この舞台では実際には鳴らしませんでしたが)クリスマスツリーが大きくなり、バックの窓が大きく現れたときはクララが小人になる雰囲気がよく出ていました。ねずみは灰色のぬいぐるみを着ていて少し太り気味のねずみでした。雪が舞う林の中の雪の精のところもバックの出来がよくて幻想的でした。2幕は少し曲の順番を変えていて間奏曲のあと、こんぺいとうの踊りで続いて各国の踊りが始まるというものでした。今日のところでは花のワルツが一番よかったように思います。最後の場面はクララと王子がトナカイのそりに乗って空中に帰っていき妖精たちが手を振って送るという演出でした。(演出によっては楽しい時が夢でした、というものもありますが)ねずみの面白い動きに爆笑したり、ジゴーニュおばさんのところでは観客に手拍子を求めたりとアメリカ的な演出を垣間見ました。とにかく期待以上にというか最高の公演でした。