NSFミーティングがありました。

(11月16,17日)

 5月にNSF(はっきり知りませんがNational Science Foundationの略だと思います)のプロジェクトがスタートして、そのときに11月半ばに報告会を開くということに決まっていましたが、そのミーティングが昨日と今日ありました。私自身はこのプロジェクトから金銭的サポートを受けているわけではありませんので参加する義務は基本的にはないのですが、5月のときによくわからないうちにこのプロジェクトの一員になっていたようでこの報告会で成果発表をしました。先週土曜日は発表練習会ということで(普通は土曜日は休みなのですがグロス教授が時間がとれなかったのでしょう)朝9時から夕方5時20分ごろまで(休みは昼の1時間だけ!)研究室でミーティングがありました。とにかくNSFは日本の科研費と企業からの受託研究を兼ねたようなものですので日本のシステムと違い結構面白かったです。このプロジェクト自体は大きくて研究室の大半が参加して、14人中10人が関係しています。(あとの3人は他のプロジェクトの研究をしています)プロジェクト参加の10人中ポスドクが6人、大学院生3人、番外の私が1人という構成です。多分他のメンバーはここから給料が出ていると思います。5月のときは大学の図書館の会議室でありましたが今回は会場が確保できなかったようで大学のすぐ隣のガス会社のビル(メトロテックセンター1、色々な会社がはいってます)の1室でありました。16日は例によってコンチネンタルブレックファストということで8時15分以降にくるとパンとコーヒーが部屋に用意されています。(この日はパンを持ってくるのが遅くて8時40,50分になっていました)前回と同じメンバーがそろっていて(NSFの人と会社の人、合わせて10人ちょっと)談笑していました。朝グロス教授がラフなかっこうで研究室にいましたので多分泊まっていたと思います。(彼の家は遠くて2時間近くかかるからだと思います)9時スタート予定でしたが少し遅れて始まりました。プロジェクト参加の研究室のメンバーがそれぞれ決められた時間内で話をして簡単な質疑を受けるというものです。大きな研究課題が3つに分かれていてそれぞれ順番に発表していき、それぞれの課題に対して会社の人が評価を書き込み提出します。面白い、少し変えると面白い、興味なしという項目とコメント欄があります。私は3つ目のプロジェクトということでプレゼンは午後で持ち時間は25分ということで発表しました。研究室で動き始めるのに時間がかかりましたので私自身の感覚では全然まとまっていませんので発表するには少し早いですし25分も長いと言ったのですが学会発表ではなく中間発表(といっても結構シビアな会なのですが)ということですのでOKしました。実験自体はメインにはインド人のAjayというプロジェクトリーダーとディスカッションしながら時々グロス教授とも話をしながらすすめたものです。最近は研究の背景も少しはわかってきましたが基本的には私には異分野ですので教えてもらうことが多いというのが実情ではあります。とにかく会社の人は真剣に聞きますし質疑も積極的にします。コメントを書かなければいけないということがありますし、ミーティングの後どれだけお金をサポートするかということも話し合われるからだと思います。来ている人は単に事務的な人ではなくサイエンスをよく知っていて経営的な判断もできる人という印象です。予定の時間をかなりオーバーして5時過ぎに終わりました。会社の人は研究室に戻ってリフレッシュメントということでワインと簡単なスナック菓子で懇談して研究室のスタッフと近くのイタリア料理の店に行ったようです。17日は午前中に昨日のプロジェクトに対する評価の集計と次の6か月の研究プランについてスタッフだけで話し合いが持たれたようです。研究室で評価の集計をしたインド人が教えてくれたことによると私の研究課題を面白いと評価してくれた人が5人で一番評価されたうちの一つというようなことを言ってくれました。私自身の英語はまだあまりよくありませんし研究内容ではもっと面白いのもあったと思うのですが、たまたま私のテーマが良かったということと(多分研究室の中ではそんなに評価されるとは思ってなかったようなテーマではあると思うのですが)すこし面白い結果が出たということとプレゼンの力点の置き方良かったから(これまで学会発表はかなりしてますので力点のおき方というか何が面白いかを強調するのはわかっているつもりです)ではないかという気がします。

 

とにかく日本のやり方と違うと感じたことを以下にまとめます。

1) 紙だけの報告ではなくミーティングが6か月に1度開かれる。

2)会社の人が評価して興味のないプロジェクトは打ち切りになる可能性がある。

3) 会社の人のOKが出ないと学会発表できない。

4) 会社の人は単に参加しているのではなく化学も戦略も知っているし予算の決定権もあるようである。