研究プロジェクトのKick-off Meeting

(5月11,12日)

 私は来たところでよくはわからないのですが、NSF(日本でいう科研費のようなものでしょうか?)の予算をグロス先生は獲得していたようで2日間にわたりNSFの方2人と金銭サポートをする企業の方が7,8人来られてミーティング(Kick-off Meetingと案内にはありました)がありました。大学院生を含めて全員参加ということでしたので参加させていただきましたが日本のシステムとはあまりに違うので驚きました。日本の場合だとこの手の会のときは厳粛な感じで堅苦しくなるのですがこちらでは雰囲気事態は非常に和やかです。朝は9時からスタートですが、会の前にコンチネンタルブレックファストが用意してあり出席者が8時半ごろから集まりだして朝食をしてコーヒーを飲んでゆっくりしてから会のスタートです。会の途中でも飲食されている方もありました。最初にNSFの方がこの会についての説明をされて、次にこのプロジェクトに参加する研究者(ポリテク大の先生etc.)の研究説明がありました。昼食も当然そこに用意されていていました。(大学に入っているカフェテリアの人が用意していました)午後からは、グロス先生が4つのプロジェクトを説明していくわけですが1つ終わるごとに企業の方のコメントを書く時間がとられました。そのあと研究室の前に張り出されたポスターの説明(ポスドク、院生があたっていました)の時間があり、夕食はスタッフの方だけでマンハッタンの中華街の方へ行かれたようでした。

 2日目は前日の評価結果の公表です。4つのプロジェクトそれぞれに対して興味の度合いを5段階で記したものとコメントです。このプロジェクトに興味のある企業の方ですのでテーマ自体には好意的だったように思いますが、細かい実験の進め方や目的などシビアな質問が相次いでいました。再提案する研究テーマや中間報告を11月に行うということで会はお開きになりました。とりあえず会が無事終了しグロス先生もほっとされていたようですし、研究室のスタッフの人も喜んでいました。

 アメリカでは予算の獲得が研究の継続に直接関係してくるといいます。その最大の問題は人件費だと思います。アメリカの他の大学では知りませんがポリテクでは研究室で教員はグロス教授一人です。あとはポスドクと大学院生で、学部学生はいません。ポスドクを雇うにもお金が要りますし、大学院生にも予算を出しているようです。

 またこちらでは定年がありません。かなりのお年の方もおられるようです。研究ができなくなったときが定年ということで自分で決めるのでしょう。日本のように60何歳かになれば自動的にリタイアしなければならないというのとは大分違います。(裏返せば研究ができなければ若くても追い出されるのでしょうか?そうだとすればシビアな世界だと思います)