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研究内容

テーマ・概要

高分子化学の基礎研究をします
 私たちの研究室では、限られた資源を有効活用し、より優れた性能を持つ高分子材料を開発するための基礎研究を行なっています。研究のアプローチとしては、有機材料や高分子試料を合成・精製するといった有機・高分子合成化学実験に近いものから、一方では、電子顕微鏡やX線回折装置を駆使して構造や性質を明らかにするなど、機器分析に近い分野まで、非常に幅広い分野をカバーしています。このため、各人の得意分野を生かした研究手段を選択でき、自分の活躍できる場を見いだすことが容易です。最近の主な研究テーマは次のようなものです。

「高分子液晶の合成と機能性材料の開発」
 高分子の特長は柔らかくてよく伸び、軽くて人間に馴染みやすいことです。この性質が最も端的に現われるのがゴムやゲルに代表されるソフトマテリアルです。私たちは、エラストマー(ゴム)やゲルの中に液晶分子を埋め込み、伸び縮みや熱、あるいは電場・磁場に応じて性質が様々に変化するソフトマテリアルの開発を行っています。これらの材料はアクチュエータや人工筋肉などへの応用が期待されます。
 また、高分子材料の高性能化を目指して、高分子液晶を用いた新しい複合材料の開発を行っています。これらの複合材料は自己再生機能を有するため、何度リサイクルしても性能が劣化せず、環境にやさしい製品として注目されています。

「天然由来高分子を原料とする機能性材料の開発」
 近年、石油資源の枯渇やCO2排出に伴う地球温暖化の問題が深刻化していることから、これまでの石油を出発原料とする高分子材料に代わって、植物などの再生産可能な天然素材を出発原料とする高分子材料の開発が急務となっています。私たちは、植物の主要構成成分であるセルロースなどの多糖類に注目し、この多糖類に有機化学的手法による化学修飾を施すことで、成形性強度の向上や、光学材料電池材料など新たな用途への応用を目指しています。

専門分野

高分子分子論