イギリスでの招待講演とイタリアでのGuerra先生訪問
2016年8月3日~12日
(今回の発表)
Biosynthesis of Block Copolymer for Poly(3-hydroxyalkanoate) by Ralstonia Eutropha
(Ryukoku Univ.)Takahiko Nakaoki

 イギリス・マンチェスター(Manchester Marriot Hotel)で開催されたBiopolymer Congressで招待講演を行いました。ホテルは空港から少し離れたところでタクシーでしか行けないところでした。大体7~8ポンド。今回は微生物による二元および三元ブロック共重合体の生合成の話です。行く直前は試験採点やその他仕事が集中して、準備万端とは言い難かったのですが、なんとか講演してきました。工業への応用を考える人も多いのか、実験スケールなどの質問がありました。日本からは東工大の久保内先生も来られていて、6年前にフランスのタルブでお会いして以来でした。(日本ではお会いしたことはありません・・・)
 電車でマンチェスター・ピカデリー駅に行き(20分ほど)市街地へも行ってみました。マーケットストリートの方へぶらぶら行って帰ってきましたが、イギリスがEU離脱を決めた難民問題が深刻な感じを受けました。というのも、歩いていると明らかにイギリス人でない人が多いのです。(東洋系ですと顔でわかりますし、イスラムですと特に女性は顔を隠していますので)極端な言い方をするとどこの国にいるかわからないぐらいでした。
 学会のあと、オランダ経由でローマに行きました。アムステルダム空港は広いし乗り換えは結構大変です。ローマは2度目ですので大体わかります。電車でローマ・テルミニ駅まで行き、歩いて数分のウニベルソホテルに泊まりました。前回来た時に短期研究員でサレルノに4週間近くいましたが、全くローマを見ていなかったので次の日は朝のうち、トレビの泉とコロッセオに行きました。特にコロッセオはものすごい観光客ですね。中に入るのに大行列ができていてあきらめした。午後、テルミニ駅からサレルノに行く予定でしたが、駅でトランクとナップサックをちょっと床に置いて水を買おうとしていると、少年らしき男の子にナップサックを持ち逃げされました。ローマは危ないとわかっていたのですが、ちょっとしたスキをつかれました。しかも悪いことに普段は入れないパスポートをそこに入れていたのです。(いつもはコピーしたものを持ち歩いていたのですが、出発前があまりに忙しくて手が回らなかったのです)金銭は入れていませんでしたので、盗んだ方もがっかりしているかもしれません。しかし仕方がありませんので、駅の1番ホームの一番前にある警察署にいき、盗難届の書類を書きました。書類を書いている間にもハンガリーから来たという女性3人組のうちの一人が盗難にあったようですし、そのあともイタリア人の女性が来ていました。ローマの駅は何とかならないでしょうかねぇ?盗難届を出すと、今度はパスポートが問題です。ローマの日本大使館の電話番号を教えてもらい電話したのですが、出なくてどこか他のところに転送されたようでした。(日曜部でしたので。日本に転送されたのかな?)そこで事情を話して、パスポートの再発行に必要なものを聞いたのですが、戸籍抄本が必要だと言います。ローマにいてどうやって日本のお役所の戸籍抄本をとれるのか?と思いましたが、日本に残っている家族や親せきにとってもらってFAXしてもらうようにということでしたが、私の本籍は住所とは違う所で、簡単にとれません。救済措置があって身分証明書があれば帰国後郵送でもいいようでした。
 とりあえずGuerra先生との約束もありますので、サレルノへ向かいました。
Guerra先生とは昼食をはさんでディスカッションしました。龍大から留学に誰か行くかもしれなと言っておきました。またパスポート用の写真も一緒にさがしてとることができました。セルフですが全部イタリア語なので助かりました。5ユーロですが、10ユーロ入れておつりをもらおうとしましたが、おつりが出ないことがあるからやめとけと言われました。
 次の日は準教授のPaolaさん(2010年当時は助手でしたが)とディスカッション後、アマルフィ海岸に行きました。ご主人がモーターボートを用意していて(所有しているのかレンタルなのかはわかりませんが)マイオーリ海岸からアマルフィの向こうまで海岸沿いに乗せてくれました。世界で一番美しい海岸と言われているだけあって、すごくきれいでした。特に海の色が本当にコバルトブルーで日本の緑がかった海とは全然違いました。断崖に洞窟があり、そこに入って外を見るとコバルトブルーに海が輝いていました。また、イタリアではここだけというフィヨルドにもよってくれました。サレルノは安全なところなのでローマとは全然違いました。
 ローマは早目に戻って日本大使館に行きました。テルミニからタクシーで10分ぐらいのところです。建物の前には自動小銃を持った警備員がいるので、なんだか緊張します。入るのにも持ち物検査は厳しいです。午前中に申請すると午後に受け取ることができます。一度ホテルに帰って4時に取りに行きました。無事一時的なパスポートを手に入れることができて一安心でした。
 今回は学会も充実していましたが、イタリアのグループとの関係がより深くなったのが収穫です。
 
イタリア・アマルフィ海岸のマイオーリ