Report A
2007年11月10日

 ここまで、徒に近況報告してきましたが、最近私はまるで実験するために作られたロボットのようにひたすら実験しているだけの単調な生活を送っていてあまり近況報告することがないので、今回からここをディビス交換留学についてより真面目に語っていくコーナーにしたいと思います。
「留学して良かった点、悪かった点。」
 今回はディビスに留学して良かった点、悪かった点を考えてみようと思います。
まず、悪かった点としては、
@  留学準備が結構大変であった、という点だろう。ビザの手続きがかなりややこしかった記憶がある。何度も銀行に行ったり、国際部がある深草キャンパスに足を運んだりと色々しなければならなかった。またホームスティ先も留学直前になっても決まらなかったのも悪い点だろう。
A 日本での研究テーマに費やす時間が他の人に比べて半年少なくなることだろう。私の場合、「シンジオタクチックポリプロピレンゲル」の研究であったが、他の中沖研究室のメンバーは来年1月までじっくり研究が行なえるのに対して、私は今年の8月前半までに自分の研究を終わらせ修士論文を完成させなければならなかった。それなので、ゲルの研究に関して修士論文のクオリティー・クオンティティー共に満足いくものにならなかったのかも知れない。(自分の中では満足した。)
B  UCディビスではサンプル準備や測定できる装置が龍谷大学と比較してかなり制限されていることでしょう。龍谷大学では、ホットプレスやDSCやNMRやX線やら色々設備が揃っていてすぐに実験に取り掛かれるのに対して、UCディビスではこれらの測定を簡単にすることができなかったのが、残念な点でした。もし測定できるとしてもコストがかかってしまったり、測定ができるまでに日にちがかかってしまうということがありました。
さて、次に留学して良かった点について考えてみます。
(やっぱり悪かった点よりも良かった点の方が圧倒的に多かったと思う。)
@  新しい研究テーマ、新しい先生や新しい研究室メンバーに出会えたことでしょう。現在、あのまま日本に居ては決して学べなかった、できなかった勉強をしているのでそのことが良かった点であると思います。また、私の場合、ストローブ先生に加えて台湾から来られたChiu先生という先生に出会えたことが大きかったと思います。このChiu先生はすごく親切で、分からないところや疑問に思うことにしっかり対応してくれる理想的な先生です。またストローブ研究室の学生はタイや台湾やトルコやアルゼンチンやインドなどすごく多国籍なので刺激を受けます。(普段はあまり実験室で見ないのですが。)しかも、私以外の研究室メンバーは全員ある程度、というより私が目標とする英語力を持っています。いつも「なんで俺だけ英語が喋れないんだ…。」と思っています。しかし、いつもせめて気持ち・オーラでは負けないようにと思っています。
A   一人でもアメリカで生活していけると確認できた点でしょう。今回の留学で家族や友達などと初めて離れて一人でディビスに来たわけですが、全然ホームシック等にかかりませんでした。(唯一、愛犬コナンに会いたいと思った。)もう25歳なので当たり前やろ!と言われそうですが、家族や友達が居なくても一人で生きていける、新しい場所で新しい人間関係を築いていけるということが確認できました。
B  日本に居る家族や友達の大切さを確認できた点でしょう。やっぱり、ディビスでちょっとしたトラブルなどがあったら日本に居る家族や友達に助けを求めることができるのです。家族に「さざなみCD持ってきてくれ。」とか「高分子化学の本持ってきてくれ。」と頼んだらちゃんと持ってきてくれるし、研究室の友達に「新しいサンプルつくって持ってきてくれ。」と頼むと、ちゃんとつくって持ってきてくれるということに最近、少し感動したのです。やっぱり先生や友達や家族や国際部の人や色々な人の支えがあって、私はここに居るんだな。と思ったわけです。
 他にも色んな人に会えた、日本に居るときより少し元気になった、少しは英語が上達した等等たくさん良かった点があります。