サンフランシスコでのACSミーティングへの参加とUCデービスを訪問しました。
2006年9月10日―14日
 サンフランシスコで開催されたアメリカ化学会のアニュアルミーティングに参加しました。今回は今村君がサンフランシスコに近いUCデービスに留学しているので、その激励も兼ねて学生3人のポスター発表をしました。
(今回のポスター発表)
1) Investigation on molecular structure and molecular mobility of solvent in isotactic polypropylene gel.
  (Ryukoku Univ.) T. NAKAOKI, H. TANIMURA, and S. HARADA
2) Relationship between the Melting Behavior of Solvent and Molecular Morphology in Syndiotactic Polystyrene Gel
(Ryukoku Univ.) T.NAKAOKI and N. IMAMURA
3) Bound State ofSolvent in Syndiotactic Polypropylene / o-Dichlorobenzene Gel (Ryukoku Univ.) T.NAKAOKI and K. YAMASHITA


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 今回旅行代理店が発行してもらったフライトチケットがE−チケットだったので、イージーチェックインを試してみた。機械にパスポートをかざすとフライト情報が出てきて、順をおって選択ボタンを押していくが、けっこうたくさんあって人の居るほうに行った方が楽かもしれないと思った。谷村君、山下君も無事出国審査を済ませて待合室にいた。フライトは325分の離陸で時間通りだった。今回は気流が悪かったのか結構はげしい揺れが何度かあった。サンフランシスコにも定刻に到着。パイロットが几帳面なようだ。前回のシカゴから日本に帰るときにアメリカの出国票を出すのを忘れていて、半券はすぐにアメリカのオフィスに返送したが手続きに4か月かかるということだったので、今回の入国審査に引っかかるんではないかと心配したが難なく入国審査を通過した。ここまでは全く問題なかったが、荷物のピックアップでトラぶった。預け入れたスーツケースが出てこなかった。係員にクレームを言って、滞在先のホテルの住所を書いて送ってくれるように頼んだが出てこない可能性もある。他の人の荷物を見て回っていると私と同じスーツケースがあり、ほとんどの人が荷物をピックアップした後でも残っていたので間違えて持っていった可能性がある。名前を見ると女性で人形のストラップもついていたので学生かOLぐらいの感じだ。タオルが巻いてあって目印もあるのに間違えるな!ていう感じだ。とにかく仕方ないので機内持ち込みしたかばんだけ持ってBARTを使って市内へ出た。(5.15ドル)パウエル駅を出るとケーブルカーの発着場だった。多分このあたりが市内の中心部だと思うが、ニューヨークとは大分感じが違う。NYCは赤レンガの古ぼけたビル郡だが、こちらは白っぽい建物が多く、あまり高層ではない。ポスター発表は夕方6時からでMoscowコンベンションセンターの地下で行われた。今回は場所が広いため全てのセッションのポスターが一同に会している。会場に行くと入り口のところに今村君がいた。今週の月曜日にデービスに来て1週間もたっていないが、元気そうにやっているようだ。今回はポスター会場の入り口で参加登録のバッジをしているか、厳しく見られていて今村君もそれで入れなかったようだ。あまり大きな声では言えないが今回学生はもぐりで、そこはアメリカのいい加減なところ。団体にまぎれて入ってしまった。後の2人は早くに会場に来ていて何もお咎めはなかったようだ。学生3人のポスター発表は何とかこなしていたようだ。アジア系の人が多く来てくれたようで、英語は比較的わかりやすかったようだ。
 深夜2時過ぎに目が覚めたのでふと見ると電話のランプが点滅していて、メッセージが入っていた。電話をかけなおすと予想通りかばんが届いたとのこと。深夜だったが早くかばんを手元に置いておきたかったのでもって来てもらった。これでようやく持ち物がそろった。


パウエルストリート

Tad's Steak

ポスターの前で

ポスター会場入り口

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 ワールドトレードセンターのテロから5年目の日である。ニュース、新聞を見ているとこの話題ばかりだ。2003年のニューヨークでのACSミーティングもちょうどこの日をまたいで開催されていた。鎮魂の日にアメリカにいる寄寓を感じる。この日は大体学会を聞いているか部屋で仕事をしていたが、お昼時はちょっと外出してケーブルカーの通りを平行して坂を登って頂上まで行った。下った先がフィッシャーマンズワーフであるが、そこまでは遠いので途中で引き返してきた。しかし坂はものすごく急でケーブルでないと多分登れないと思う。駅は途中になかったが坂を左右に通る道の平らなところで停車して乗降していた。そのあとお昼を食べるのに、昨日谷村君らとホテルに行く途中にピザ屋があったのを思い出し行ってみた。昨日も感じたが、ケーブルカーの発着場を西(かな?)にマーケット通りをいくと、明らかにすさんだ感じになった。昨日はついてすぐで気づかなかったが黒人や浮浪者が多い。これは!ていう感じだ。ピザ屋の方へメインストリートをそれるとさらにその感が強くなった。そうだ、NYCのハーレムの感じに似ている!これは危ないと思い、早々に立ち去った。ホテルに帰ってサンフランシスコの危ないところを検索するとテンダーロインと呼ばれるところと、マーケット通り6,7番あたりとのこと。谷村君らが泊まっているところはそのど真ん中ではないか!格安のホテルだったと言っていたが裏の事情はこういうことだ。(危険な地域なので誰も泊まりたがらないということ!)海外では安全はお金で買うようにとあれほど言っておいたのに!残りの滞在で事故のないことを祈るのみ。そういえば今村君もシビックセンターのところで黒人複数組みに囲まれそうになったといっていたが、そこはまさにテンダーロイン地区!何もなくてよかったという感じだ。NYCでもそうだったが、通りを1つ隔てるとがらりと感じが変わるところがある。観光地の近くだからといって安易にホテルをとるととんでもない地域になることがあるので要注意!
 あとニューヨークと違うと感じたことは乞食の多いことだ。たまたまコンベンションセンターの近くで人が集まるところだったからかもしれないが、信号待ちをするコーナーに1,2人いるっていう感じだった。ニューヨークも治安が悪く貧富の差が大きいが、路上ではこんなに多くはなかったように思う。(もちろんNYCでは地下鉄やそのほかのところに散らばって見られたが。)

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 UCデービスのStroeve先生を訪問した。事前にメールで2時ごろいくとアポをとっておいたので、サンフランシスコを930分に学生3人とBartで出発して、まずは終点のRichmondへ。(約40分)そこから1037分発のAMTRAKに乗り換えだが、偶然乗り継ぎがよくて比較的早く乗り換えることができた。(もちろんAMTRAKが遅れたのは言うまでもない。大体20分遅れ。14ドル)駅にして3つ目だが、駅間が長いのでデービスまでは1時間ぐらい(定刻で)かかる。AMTRAKでは切符を買うときに身分証明書の提示を求められるので必ずパスポートを携帯しておいた方がいい。ちょうど昼時に着いたので歩いてデービスの学食へ行って昼食にした。学食といっても日本とは全く違ってピザやサンドウィッチ、ハンバーガーを自分でとってレジに並ぶというシステムだ。今村君が行く英語研修施設を見学して、大体2時ごろになったのでStroeve先生の部屋を訪問した。以前3月にも会っているので、簡単な挨拶でその後は実験室やキャンパスを案内していただいた。化学工学に近いほうの学食でコーヒーを飲んでゆっくりしてから全体を一巡して戻ってきた。Stroeve先生は気さくな方でよくしゃべられる方なので楽しく過ごさせていただいた。多分英語も気をつかってゆっくり話してくれていたのではないだろうか。教授室に戻ってからは今村君の今後の研究の打ち合わせをして、気がつくと4時過ぎになっていて我々の帰る時間も迫っていたのでお暇させていただいた。結局2時間以上付き合っていただいた。今村君もアメリカ生活を満喫しながら研究成果も出てくることを期待しています。デービス駅にもどり455分発のAMTRAKに乗り、来たときと同様RichmondBARTに乗り換えてサンフランシスコに帰ってきた。デービスとサンフランシスコはそんなに離れていないはずだが、気温が全く違うのに驚いた。サンフランシスコでは朝晩は結構涼しくて上着を羽織らないと寒い感じだが、デービスは暑くて日中は35℃ぐらいまで上がっていたようだ。

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 イギリスでのテロ未遂事件のあと、飛行機に乗るのに手荷物検査が厳しくなっていると聞いていたので、通常よりはやく3時間前に空港に着くようにした。しかし拍子抜けするほど人がいなくて、検査も通常ぐらいであっという間にチェックインを終えた。サンフランシスコ便は他の都市からの乗り継ぎ客も多く満席だった。偶然にも京都工繊の木村先生、その後は龍大の松木平先生と待合室でばったり一緒になった。エコノミーが満席だったようで、私はユナイテッドのプレミア会員であることからビジネスクラスにアップグレードしてくれた。これでビジネスへのアップグレードは2回目である。やはりビジネスは足回りが広いし背もたれフットレストがあって寝やすい。何よりも食事がフルコースなみなので楽しみである。(エコノミーでは味よりもお腹いっぱいになればいいという感じ)コーヒーを注文しても紙コップではなく陶器で出てくるし。
 今回、谷村君と山下君が危険地域にホテルをとったのでどうなるか心配したが無事日本に帰ることができてほっとした。アメリカの実態を目で見て体験したのだから、是非グローバルな視点を養ってほしいものだ。今村君も元気そうで、いつも前向きの姿勢に好感がもたれます。これからもがんばってください。次は山下君、大熨君が続きますので。