Polymers for Advanced Technologies 国際会議
(ハンガリー・ブダペスト)に参加しました。
2005年9月10日−18日
 ハンガリーのブダペストであったPolymers for Advanced Technologies で研究成果報告をしました。アイソタクチックポリプロピレンのβ結晶を核剤を用いて優先的に誘起する研究など興味深いものがいくつかありました。
 学会主催のバンケットなど豪華で印象に残りました。

910
 ヨーロッパ行きのフライトは朝が早い。1015分関空発のKLMオランダ航空なので2時間前の朝815分までにチェックインを済ませた。出国審査を済ませてビザのラウンジでコーヒーを飲んでいたら内田先生から電話が入った。JRの関空駅からで、ちょうど入れ替わりでオランダから帰国したところである。時間が合わなくて会えなかったのは残念である。機内の座席は非常口の前で足が伸ばせて快適だったが、トイレが近くて人の動きが多くて少しうるさかった。また個人用の液晶モニターがあり、テレビや映画などが途中からではなく、自分の好きな時に始まるタイプで、今までで最も快適だった。約11時間のフライトでアムステルダムのスキポール空港に着いて、マレブハンガリー航空に乗り換えた。スキポール空港は建物が1つなので歩いて乗り換えられるので(少し時間はかかるが)便利である。ブダペスト行きは国際便ではあるが、小さな飛行機で60から70人乗りで、しかも満席にならずに半分ぐらいの乗車率で離陸した。4時の離陸でわずか2時間のフライトにもかかわらず軽食がでた。ブダペストの空港ではビルに直付けではなく、タラップを降りてバスでターミナルビルに入った。そこで入国審査を受けて、空港から出た。ホテルまではミニバスにしようかタクシーにしようか迷ったけど(タクシーはぼったくりが多いと聞いていたので)、でたところで市内まで5900フォリント固定で行ってくれるということだったのでタクシーにした。ホテルではチップを含めて7000フォリントを払い、7時過ぎに無事にチェックイン。部屋はツインだが、日本のビジネスホテルの部屋ぐらい小さく狭かった。設備もあまりなく、安かったのがうなずける。(大抵は2万円ぐらいするのだが15千円ぐらいだったので。)ホテルの周りを散策したが何もなく中華レストランが開いていたが、いきなり中華も考え物だと思い、ホテルのカフェでサラダバーで夕食にした。


ホテルの窓から。ドナウ川とマルギット島が見えます。

911()
 ホテルでのビュッフェ形式の朝食のあと、市内散策に出かけた。まず地下鉄だが、検札のゲートがないのに驚いた。切符売り場でシングルチケットを買って(170F)、赤いボックスにいれてチケットに切れ目がはいりOKである。しかしほとんどの人が検札機を通していないのが不思議だ。無賃乗車が多いのではないだろうか。ガイドブックによると時々検察をしていて見つかるとかなりの罰金を払わされるらしい。また大きな駅ではエスカレーターがあるが動く速度が速くて乗り降りのときは注意を要する。地下鉄はすりが多いと聞いていたので、用心していたせいか、全く問題なかった。まずはブダペストで最もにぎやかといわれているバーツィ通りへ行った。かなりの人ごみを予想していたが、思ったほどではなく(もちろんかなりの人は歩いていたが、大阪の心斎橋とは比べ物にならない)通りもそんなに長くなくて少し拍子抜けした。ガイドブックにもでていたアンナカフェでミックスサラダとカプチーノで昼食にした。こちらはサラダといっても大量に出てくるし、パンまでついてくるので昼ごはんにちょうどいいぐらいである。小1時間ほどゆっくりして、近くのイシュトバーン大聖堂へ。大きな教会で荘厳な感じのするところであった。観光客もひっきりなしに来ていた。
 夜はハンガリー料理のレストランであるカルパチアに行った。観光客が多く、生演奏をしている部屋は満席で隣の部屋での食事になった。しかしハンガリー伝統料理であるパプリカ(ピーマンの大きいやつ)で煮込んだシチューが食べることができ、なかなかおいしかった。夜は9時半過ぎで地下鉄に乗るのは少し気味が悪かったが、乗ってみると全く問題なかった。(日本で危ない情報を仕入れすぎたようだ)


ミックスサラダを頼んだが、かなりボリュームがあった。(パンもついていたし)

912()
 学会登録と学会主催の市内バスツアーがあったが、手際が悪いせいか長い行列ができていた。参加登録も事前にしたはずだが、お金は引き落としていないようでクレジットカードでの支払いをした。領収書を見ると税金が25%ですごく高いのでびっくりした。そのあと11時からバス2台に分乗して市内観光をした。英雄広場、イシュトバーン大聖堂(昨日行ったところだが)、展望のきくゲッレールトの丘、漁夫の砦をまわった。14時までのツアーなのであわただしかったが、独力で行くと大変なので大体のところはまわれてよかった。夜はバーツィ通りのレストラン、シラノに行ってハンガリー料理を食べた。まずパプリカ粉のスープのグヤーシュとグースリバー(フォアグラでハンガリーの特産らしい)とパプリカといためた牛ステーキで、特にフォアグラは大きくてしかも脂がのっていて(少し脂っこかったが)びっくりした。


イシュトバーン大聖堂

英雄広場

ゲッレールトの丘から

??教会

漁夫の砦

913()
 昼間は学会で、夜は学会主催のミニコンサートとレセプションがあった。ホテルがドナウ川(こちらではダニューブ川と言うことの方が多いが)に面しているので、近くの船着場から川船に乗って、市の中心部へ。国会議事堂、鎖橋などが見ることのできるコースで学会主催者も苦労して設定しているという感じがした。会場はHungary Academy of Scienceで歴史的な建物らしく150年の歴史があるようだ。レセプションで簡単な食事後、2回のホールでミニコンサートがあった。最初は小さな編成で、ブダペスト工科大の化学工学の先生がオーボエを吹いていた。そのあとフルオーケストラでベートーベンの3番(だったと思う)の2楽章まで演奏された。ホールが石造りなので響きがよく、コンサートホールよりもいいのではないかと感じた。やはり響きのいいオーケストラ演奏はヨーロッパが本場だと感じた。帰りもドナウ川の水上船で、鎖橋などライトアップされていて幻想的な雰囲気できれいだった。船を下りるときにポリテクニク大学でお世話になった岡本先生にお会いできてびっくりした。けっこうなお年のはずだがお元気そうである。


古い石造りの建物の中でのミニコンサート。感動しました。

914()
 朝から学会発表を聞いていた。朝のうちにポスターを貼り付けておいて、530分から2時間本番の発表をした。隣がトルコからの大学院生で少し話をしていると、ブダペストまでは近くて2時間のフライトだったと言っていた。また夏休みはなく毎日研究室に行って実験していると言っていた。ポスター発表のあと、8時からバンケットがドナウクルージングであった。EUROPAという結構大きな船で、学会参加者全員が乗船した。円卓テーブルでのフルコースで料理もなかなかおいしかったが、それに加えて民族ダンスがあったり、船のデッキからは王宮や鎖橋、国会議事堂などの夜景が見れたり、極めつけは司会者がサプライズがあるので全員上のデッキへ出てくれと言うので行くと、しばらくして花火が頭上真上に上がり始めたのにはびっくりした。しかも結構な数だった。一般の人向けではなく学会だけのための花火なので贅沢な感じがする。物価が安いかもしれないが、我々の参加費からだけではここまでできないと思うので、観光局からのサポートもあるのではないかと日本人参加者の間では話していた。とにかく私がこれまで参加した学会のバンケットの中では一番豪華だった。スタートが8時過ぎと遅かったので、終わるのも必然的に遅くなるというもので、11時過ぎにホテル近くの岸壁についてお開きになった。パリでもそうだが、宴会をやって11時を過ぎるのは何ともないようだ。(日本では考えられないが)


バンケット(ドナウのクルージング)

民族ダンス

鎖橋と王宮(ライトアップがきれいです)

915()
 学会を昼から少し抜けて郊外のエステルゴム、ビシェグラード、センテンドレにいった。エステルゴムはブダペストが首都になる前の都で今でも大聖堂がある。ビシェグラードは山の上に砦があり、ドナウ川が90度曲がるところでドナウベントと呼ばれる地域にである。センテンドレは中世18世紀のヨーロッパの石畳を残す観光地で多くの観光客が訪れていた。

      
       ドナウベント

ビシェグラードの砦

エステルゴムの大聖堂

中世の雰囲気のセンテンドレ

916()
 学会最終日。夕方からはお土産を買いにバーツィ通りへ向かった。有名な貴腐ワインのトカイアスーを手に入れた。

917()
 朝8時にホテルにタクシーに来てもらって空港へ。しかしこのタクシーの運転手がニューヨークに勝るとも劣らないぐらい荒い運転で怖かった。最初は少し話しかけたが、あとは黙っていた。空港は小さくて、出国審査も人がまばらで、しかも“こにちは”と日本語で話しかけられた。日本人が多いのだろう。2時間のフライトでアムステルダムへ。そこから関空行きへ乗り換えたが、乗客のほとんどは日本人でまるで日本に帰ってきたような感じだった。