東大物性研(茨城県東海村)で中性子散乱実験をしました。
2004年9月3日−6日
 昨年東大物性研での中性子散乱実験を申請して採択された実験課題を茨城県東海村の原子炉で行いました。ちょうど1週間前に装置トラブルで1度実験がキャンセルになっていましたが復旧したために急遽実新幹線のチケットを手配して行きました。上野からスーパーひたちで水戸まで1時間ほどで、各駅停車に乗り換えて3つ目の東海という駅が最寄り駅です。10年ちょっと前にもここで実験を行いましたが駅前はかなりきれいになっていました。
 実験は本学の井上先生、東北大学を定年された山口先生に手伝っていただいて行いました。10年前は実験も手作業で人海戦術の感じがありましたので、今回は学生の石橋君(M1)斉藤君(M1)谷村君(B4)に来てもらいましたが、温度変化測定はオートになっていて、実験の負担はかなり軽減されていました。
 山口先生の計らいであまり見ることのできない原子炉の炉心部も見学させていただきました。隙間から重水が青白く光るチェレンコフ効果も見ることができました。
(今回の実験)
 HERMESを使った中性子広角散乱実験でアイソタクチックポリプロピレンゲル中の溶媒の凝集構造についてー60℃から0℃までの温度変化実験を行いました。1回の測定時間が2時間ほどで温度変化を全て行うと14時間ぐらいの実験になります。マシンタイムが限られていますので、実験が終わると直ちに次の実験を開始します。実験結果は、予想していたものとは大きく異なりましたが、データ自体は非常に面白いもので今後大学に帰って解析を進める予定です。

東大物性研の宿舎から。周りはいも畑です。

改3号炉

自転車を借りて実験所まで行きます。


原子炉の炉心。めったに見れるところではありません。

熱中性子管。このラインにHERMESがあります。

海の近くなのでレストランでの魚はおいしかったです。